こんにちは!トリ女のマミです。
今回は「くり返し習いたい実践英文法」と題して、ビジネス英語でも使う「コロケーション(連語)」というルール(概念)をご紹介します。
英語・中国語含めた外国語学習者だけでなく、日本語教師をされている方にとっても有益な情報になるよう、内容まとめてみました。
みなさまのグローバルな活躍にお役立てできればトリ女本望です。
はじめに
東京外大英米科2年生の秋、夏休みの課題で提出した英文レポートのフィードバックを聞きに、担当講師のもとへ向かったトリ女。
講師はトリ女のレポートを見ながら、
「トリ女さん、コロケーション(連語)って聞いたことある?」
と尋ね、トリ女が分からなさそうにしていると、やっぱり、という表情を浮かべた。
「コロケーションが全然できてないし、一文も長いし、レポート何言ってるかさっぱり分からなかった。東京外大英米科だからって、英語できるって思ってたら勘違いだから。」
講師は笑みを浮かべて優しい口調だったものの、トリ女は突然結構キツイこと言われたのである。
これがトリ女とコロケーション(連語)の衝撃の出会いだった。
英語を学び始めた中学時代に知りたかったルールでした。
コロケーション(日本語)
コロケーションとは「相性の良い単語同士をつなげること」で、実はどの言語にも相性の良い単語・そうでない単語があり、相性の良い単語同士を組み合わせて文を作りましょう、というルールのことです。
まず日本語のコロケーションを下図を使用して説明します。
「椅子に腰をかける」という動作を表現する方法はいくつかありますが、ここでは代表的な表現「せきにつく」と「いすにすわる」をみていきます。
この2つの表現を文法的に分解すると、上記のように、目的語(名詞)、動詞、その他(助詞)、に分けられます。
目的語と述語がそれぞれ2つあるので、下記4通りの新たな組み合わせができます。
- せき に すわる
- せき に つく
- いす に すわる
- いす に つく
どれも「(目的語)+(その他)+(動詞)」の順番で並んでおり文法的に正しいように思えますが、「いすにつく」だけはあまり言いませんよね。
つまり目的語「いす」と述語「つく」は相性が良くなく、コロケーションが成立していないということになります。
相性が良くない理由を追及するのは言語学の大先生方におまかせするとして、トリ女含む一般外国語学習者は「そういうもんだ」と割り切って、一つ一つ丁寧に覚えていくのがネイティブが使う英語の近道になります。
コロケーション(英語)
では本題の英語を見ていましょう。
「約束を守る」という英語表現はいくつかありますが、ここでは代表的な表現「keep one's word」と「fulfill one's promise 」をみていきます。
この2つの表現を文法的に分解すると、上記のように、動詞、形容詞、目的語(名詞)、に分けられます。
目的語と動詞がそれぞれ2つあるので、下記4通りの新たな組み合わせができます。
- keep one's promise
- keep one's word
- fulfill one's promise
- fulfill one's word
どれも「動詞+形容詞+目的語」の順番で並んでおり文法的に正しいように思えますが、「fulfill one's word」は言いません。
つまり動詞「fulfill」と目的語「word」は相性が良くなく、コロケーションが成立していないということになります。
なので「約束を守る」という趣旨で「fulfill one's word」と言うと、コンテクスト(文脈)によって通じることもありますが、通常使われる言い回しではないので、別の意味に誤解される可能性も出てきてしまうということです。
コロケーションを調べる方法
英語ネイティブに聞く以外で、コロケーションを自分で調べる方法を下記にいくつかご紹介します。
- 英辞郎(1番手軽に検索できる)
たとえば「healthy(ヘルシー)」を検索すると、「healthy breakfast(健康的な朝食)」以外に、「healthy business(健全な事業)」や「healthy economy(健全な経済)」などが検索結果に出てくるので、ビジネス用語との相性も良いことがわかる。
- Google(英辞郎で検索結果が出てこない場合)
「economy」と「healthy」の相性を調べるため、Googleで「”healthy economy”」と入力すると、検索結果が100万件と多かったため(ここの基準は自己判断)、相性が良い単語と推測。参考までに、前述の「fulfill one's word」は69件。
- 『新編 英和活用大辞典―英語を書くための38万例』(1番信用度が高い)
トリ女のおススメはこの辞書で、Casioなどの電子辞書に収録されていることが多いのですが、単語ごとに相性の良い形容詞、副詞、前置詞などをカバーし、かつ例文も掲載してるので、網羅的で分かりやすい、信頼性高い辞書です。
そのほかにも「コロケーション辞典」と名のつく辞典はたくさんありますので、お好きなものを選んで使用してみてください。
おわりに
コロケーションは、不必要なミスコミュニケーションを防ぎ、ネイティブが使う英語に近づくためには大事なルールですが、過度に気にしすぎるとスピーキング力向上の弊害になりえます。
コロケーションを知ったトリ女は、下記負のスパイラルに一時陥りました。
外国語で会話するときに、
コロケーションを考えすぎてスピーキングが遅くなる
→ 自分はスピーキング力がないと自信をなくす
→ 外国語で会話する機会を避ける
→ 継続的なスピーキング力(リスニング力)向上が難しくなる
実際、現職で外国人社長(非英語圏)の通訳に入ったことありますが、高度な文法(とトリ女が呼ぶ)のコロケーションどころか、時制やワードチョイスもまあまあ間違ってましたが、コミュニケーションにさほど支障なかったです。
それは、コンテクスト(文脈)が分かっている場合が多いので、過去時制にすべきところが現在時制になってても意味が通じますし、本当に分からない場合は本人に確認できるからです。
とはいうものの、コロケーションを全く気にせず英語を使っていくと、ミスコミュニケーションを生む要因にもなりますし、TOEFLやIELTSのライティングやスピーキングの点数を伸ばすときの弊害にもなりうるので、要はバランスが大事です。
コロケーションというルールを常に頭のどこかに置いておきながら、英語に触れる際、単語同士の相性を探ってみてはいかがでしょうか。
慣れると結構楽しくなってきますよ。
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