こんにちは!トリ女のマミです。
今回は「簡単な英語が1番難しい(通訳編)」と題し、
社内通訳であるトリ女の通訳ネタを共有します。
通訳関係者だけでなく、今後英語を使って仕事をしたい方、
英語ネイティブと実際に仕事してる方にも有益な情報になれれば幸いです。
はじめに
社内通訳になって約1年半のトリ女。
社内通訳になったばかりの頃は、社内で唯一の通訳で、
かつ社内の通訳の理解が乏しく(「TOEIC900点以上=何でも通訳できる」神話)、
とにかく一人でもがくしかなかった。
トリ女と同じ境遇に遭遇する(かもしれない)方々に、
トリ女の通訳経験を共有することで、
皆さまの今後のグローバルな活躍を少しでも応援できれば幸いです。
ここで本題に入る前に注意事項を明記させていただきます。
通訳者は重要な会議に参加することも多く、
その内容に関して守秘義務があります。
下記にお話しする内容も、
お伝えしたいエッセンスは残しつつも、
具体的な企業や状況を特定できないよう、
必要に応じて脚色などさせていただくことご理解ください。
「clean 」は「清潔な 」じゃないの?
社長の海外出張に同行したトリ女。
出張目的とは直接関係ないものの、
買付けチームが出席する商品紹介ミーティングに参加することに。
ミーティング後半に紹介されたのが複数タイプあるジーンズ。
その1タイプについて、紹介者の最初の一言がこちら。
(英語)"This Denim is clean."
(日本語)「このジーンズはcleanです。」
この場合「clean」は「清潔な」という意味ではなく、
実は「ダメージ加工なし」という意味なんです。
(日本語)「このジーンズはダメージ加工のないタイプです。」
と通訳するのが正解でした。
そんなことを知らなかったトリ女は、
どこからどう見てもいたって普通のジーンズに、
「『クリーン』というタイプのジーンズです」
と咄嗟に通訳。
精度の高い訳ではないにしても、なんとか誤訳は避けられたなと。
ちなみに「ダメージ加工あり」は「destroyed」。
おわりに
トリ女社内通訳して約1年半になりますが、
- 簡単な単語の訳出の難しさ
- コンテクスト(文脈)の重要性
を強く感じております。
具体的な状況がない場合(例えばテストで「下記英文訳せ」と指示された場合)、
(英語)"This Denim is clean."
(日本語)「このジーンズは清潔です。」
と訳しても正解になります。
ですが、上記トリ女の体験からも分かる通り、
実際のビジネスシーンは具体的なことを話し合うので、
単語は1つの意味しかもたないことが多いです。
その場合「clean」のような、様々な意味を持つ、
一見簡単そうな中学生レベルの英単語が1番難しい。
その大きな助けとなるのがコンテクスト(文脈)になります。
「商品紹介ミーティング」というコンテクスト(文脈)があったからこそ、
この状況で「このジーンズは清潔です。」と訳すのは変だぞ、
という判断が働き、単語の意味は分からないものの誤訳が避けられたんです。
今回は通訳を熱く語らせていただきました。
次回も分かりやすい事例を共有するとともに、
皆さまのグローバルな活躍の一助となれれば幸いです。
最後に本を1冊ご紹介。
通訳者であり、教育者(立教大学名誉教授)でもある鳥飼久美子氏の著書。
日本の通訳者の歴史を、
通訳の草分け的存在の小松達也氏らとのインタビュー内容とともにひも解く。
内容が濃く、理論的な部分もあるため、通訳の歴史をしっかり学びたい人向け。
記事更新のはげみになりますので、
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