こんにちは!トリ女のマミです。
今回は久々の語学ネタで「繰り返し習いたい実践英文法」と題し、通常中学2年生で学習する否定疑問文の答え方について、皆さまと一緒に復習したいと思います。
間違えるとミスコミュニケーションに直結する文法なので、英語で仕事をしている(将来する予定のある)皆さまに是非読んでいただきたいです。
はじめに
否定疑問文とは、その名の通り「否定形で質問する文」のことで、日本語では「~ではないですか?」、英語では”Didn’t you~?”などの文をさします。
否定疑問文自体は、日本語も英語も作り方は同じ(否定形にして疑問文にするだけ)なので覚えやすいのですが、その答え方が日本語と英語で反対になるため、ビジネスの場で間違えると大きな誤解や混乱をよびます。
実際、トリ女の現職でも英語が堪能な日本人社員複数名が上記答え方を間違えて、会議が一時的に混乱したことがありますので、今回皆さまと一緒に再確認したいと思います。
ちなみにトリ女、ネイティブ崇拝はしておりませんが(文法やワードチョイスなど多少のミスがあっても、ある程度通じれば外国語のコミュニケーションは成立していると考えます)、ミスコミュニケーションの直接原因になるこの文法だけは是非覚えていただきたいです。
否定疑問文の答え方
まず日本語から見ていきましょう。
A社に出向しているB社の日本人社員に、C社の日本人社員が質問したとします。
C社の日本人社員「あなたはA社の社員ではないのですか?」(否定疑問文)
B社の日本人社員「はい。私はB社の社員です。」(否定疑問文の答え)
C社の日本人社員「そうだったんですね。」
では同じ質問を、A社に出向しているB社の日本人社員に、C社の外国人社員(英語ネイティブ)が英語でしたらどうでしょうか。
C社の外国人社員”Aren’t you a member of company A?”(否定疑問文)
B社の日本人社員”Yes, I’m a member of company B.”(否定疑問文の答え)
C社の外国人社員”??? Are you a member of company A or company B?”
C社の外国人社員に通じなかったのはなぜでしょうか。
それは、英語のルール(文法)として、否定疑問文に賛成する場合は"No"と、賛成しない(反対の)場合は”Yes"と回答する必要があるからです。
賛成なのに「No」、賛成しない(反対な)のに「Yes」と言わないといけないこの英文法は、否定疑問文含む疑問文に対して、賛成の場合「Yes」、賛成しない(反対の)場合「No」と言う日本語の文法と正反対のため、ミスコミュニケーションが大変起きやすくなっています。
なので、上記英会話でB社の日本人社員が下線部のように回答したため、
C社の外国人社員”Aren’t you a member of company A?”(否定疑問文)
B社の日本人社員”Yes, I’m a member of company B.”(否定疑問文の答え)
(日本語訳)「はい(A社の社員です)。私はB社の社員です。」
C社の外国人社員は、相手がA社の社員なのか、B社の社員なのか理解できませんでした。
そのため、B社の社員は下線部のように回答すれば良かったことになります。
C社の外国人社員”Aren’t you a member of company A?”(否定疑問文)
B社の日本人社員”No, I’m a member of company B.”(否定疑問文の答え)
C社の外国人社員”I see.”
上記は簡単な例のため、たとえ文法的に間違ってもコンテクスト(文脈)上、B社の社員であると理解してもらえる可能性も十分にあります。
ですが、話題が非常にセンシティブで、相手の一言一言が大きな意味を持つ場では、コンテクスト(文脈)だけに頼るのはリスクが高いことにご留意ください。
トリ女の現職では、下記シチュエーションで大きなミスコミュニケーションが発生しました。(社内通訳という職務上、守秘義務遵守のため、一部内容を脚色している点ご了承ください。)
一部事業の縮小を余儀なくされたトリ女現職が、その事業に直接利害関係を持つパートナー企業(英語圏)に対し、前年比大幅マイナスの売り上げ計画を提示した時の会話。
(パートナー企業)
"Aiming at negative sales to last year, can’t we say that our business is heading in a good direction?"
「前年を下回る売り上げを目標にして、我々のビジネスが良い方向に向かっているとは言えないのではないでしょうか?」
(トリ女現職)
"Yes..." by 営業部長
「良い方向に向かっていると言えます・・・。」
(パートナー企業)
"(絶句)...Why ?"
「(絶句)・・・どうしてでしょうか?」
営業部長は「ビジネスが良い方向に向かっているとは言えない」ものの、事業縮小は不可避であるため理解してほしいという趣旨で重々しく"Yes"と言ったのですが、英語のルール(文法)で「良い方向に向かっていると言えます」という反対の意味で相手に伝わってしまったため、パートナー企業は「自分たちとのビジネスを大幅縮小することが、なぜビジネス上良い方向にあると言えるのか」とショックを受けたのです。
もちろんその後誤解は解けましたが、否定疑問文の答え方を間違えると大きなミスコミュニケーションにつながる点ご理解いただけたかと思います。
ネイティブに理解してもらおう
否定疑問文の答え方を一例にしましたが、日本語と英語の文法が大きく異なる場合、母語(日本語)の影響を常に受ける日本語ネイティブの私たちが完全にマスターするのは時間がかかります。
なので、上記ミスコミュニケーションを回避するには、非ネイティブである私たちの努力だけでなく、英語ネイティブに理解してもらうことも必要とトリ女は考えます。
そこでトリ女は、日本駐在ネイティブ社員に日本語と英語の文法的違いを説明し、日本人も気をつけるから、ネイティブ社員も否定疑問文をなるべく使わないよう依頼してみました。
皆さま良い人なので「難しいけどやってみる」と言ってくれましたが、真剣な話し合いになるとつい自然と否定疑問文を使ってしまうネイティブ社員たち。
そのたび「~ではないでしょうか、しまった、否定疑問文を使ってしまった!」と、自分につっこんでいる微笑ましい姿がありました。
おわりに
トリ女が社内通訳者として会議に参加するときは、この文法を意識するのでミスコミュニケーションをなんとか防いでいます。
が、通訳者という立場以外でネイティブ社員に話しかけられたときは、トリ女も答え方を間違うことがあります。
だって日本人だもの トリ女 ※相田みつを氏風
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