こんにちは!トリ女のマミです。
今回は「グローバル企業の中国名にみるオモシロ翻訳術」と題して、世界的に有名な企業の中国名をご紹介します。
中国語に興味のある方、翻訳に興味ある方などに、ちょっとおもしろ中国語企業名をご紹介することで、異文化を一緒に楽しんでいきたいと思います。
はじめに
下記記事でもご紹介した、中国語の外国語固有名詞について、グローバル企業名に絞ってご紹介したいと思います。
中国進出するグローバル企業は、それぞれ漢字の中国名を持っています。
ブランドイメージにもかかわる重要な企業名。
グローバル企業がどのように自社名を中国語翻訳しているのか、見ていきましょう。
そのまま中国語読み
特に漢字の企業名は、そのまま中国語読みになることが多いです。
- Honda:本田(ベンティエン、běn tián)
- 吉野家:吉野家(ジーイエジャー、jí yě jiā)
- セブンイレブン:711(チーヤオヤオ、qī yao yao)
※「qī(チー)」は「なな(7)」、「yao(ヤオ)」は「いち(1)」の意
音訳(音を漢字にあてはめる)
次に、企業名の音を漢字にあてはめる音訳パターンをご紹介。
これは、サッカー選手サントス氏を「三都主(さんとす)」とするようなものなので、日本人の皆さまなら多少おなじみかと思います。
とは言いつつも、ある言語の音を、母音数も子音数も異なる言語(中国語)に無理やり当てはめたものなので、もとの音(企業名)から多少かけ離れた音にはなってしまいます。
- ケンタッキー:肯德基(クンドゥージー、kěn dé jī)
- Dior:迪奥(ディーアオ、dí ào)
- サントリー:三得利(サンドゥーリー、sān de lì)
意訳(意味を漢字に当てはめる)
そして次に、企業名の意味を翻訳したパターン。
- ファミリーマート:全家(チュエンジャー、quán jiā)
※「全家」は「家族」の意味です。
- アップル:苹果(ピングオ、píng guǒ)
※「苹果」は「りんご」の意味です。
- フォルクスワーゲン:大众汽车(ダージョンチーチュー、dà zhòng qì chē)
※ドイツ語「フォルクスワーゲン」は、「大衆の(フォルクス)車(ワーゲン)」という意味です。
※中国語の「大众」は「大衆」、「汽车」は「車」の意です。
音と意味のハイブリット翻訳
そして最後に音と意味のハイブリット翻訳。
特にユニクロとコカ・コーラは、企業名翻訳の成功例としてよく見本とされる企業名になっています。
その理由は、音訳もオリジナルに近く、かつ当てはめた漢字が企業イメージに合っているためです。
それでは見ていきましょう。
- スターバックス: 星巴克(シンバークー、xīng bā kè)
※「スター」は意訳、「バックス」は「巴克(バークー)」の音訳
- ユニクロ:优衣库(ヨウイクー、yōu yī kù)
※簡体字「优衣库」を繁体字にすると「優衣庫」で、「優れた洋服の倉庫」というイメージが醸成されます。
- コカ・コーラ:可口可乐(クーコウクールー、kě kǒu kě lè)
※簡体字「可口可乐」を繁体字にすると「可口可楽」で、「口に良し、楽しんで良し(美味しく楽しめる)」イメージが醸成されます。
おわりに
中国語留学に来た非漢字圏留学生が最初に直面する困難は、自分の名前を中国名に翻訳すること。
ピーターやマリーなど、よくある名前はすでに中国語訳「彼得(ピードゥー)」、「玛丽(マリー)」が存在するものの、各国から来る多くの留学生は基本的に自分で中国名をつけています。
たとえば、Dimaは音訳で「帝明(ディーミン)」や、本名とは関係なく、自分の好きな単語を並べた「马安福(馬安福、マーアンフー)」などなど。
漢字圏のトリ女にはできない楽しみがあって、ちょっと羨ましいですね。
最後に、企業名ではないですが、ビジネス中国語の授業で習った翻訳失敗例をご紹介。
ユニリーバの女性向けおしゃれシャンプー「LUX(ラックス)」の中国語名は音訳で「力士(リーシ)」。
中国語「力士」の意味は「力气大的人(力強い人)」というマッチョな男性をイメージさせてしまうため、商品イメージとマッチしていないらしい。
日本企業の皆さま、中国進出する場合は固有名詞の翻訳にお気をつけください!
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