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リテール(小売)英語で営業会議を乗り切る(1)|駆け出し通訳者の英語備忘録

リテール(小売)英語で営業会議を乗り切る(1)|駆け出し通訳者の英語備忘録

こんにちは!トリじょ(日英中トリリンガル女子)のマミです。

今回は「リテール(小売)英語で営業会議を乗り切る」と題し、営業会議でよく使用されるリテール(小売)英語をお伝えします。

 

業界ごとに存在する専門(業界)用語。

日本語でも聞き慣れないのに、英語で話すとなるともっと難しいですよね。

しかも、会社には業界に精通しているベテラン社員&英語が得意な社員、とそうじゃない社員が混在。

その全員が参加する英語ミーティングでは、個人によって内容の理解度が大きく異なってきます。

 

共通の用語集でもあれば、社員全員の理解の底上げができるのに・・・と思いつつも、目の前の仕事に追われていたトリじょ

当時勤めていた会社はすでに退職していますが、リテール(小売)業界でグローバルに活躍する読者の一助となれるよう、今回記事にしました。

 

本ブログが読者の皆さまにとって、有益な情報になれれば幸いです。

トリ女の自己紹介

本題に入る前に、わたくしことトリじょの自己紹介を簡単にさせていただく。

  • (学歴)東京外大英米科卒、北京・清華大学にて語学留学(2年間)
  • (職歴)大学卒業後は英語講師、翻訳業に従事。現職は駆け出し社内通訳者。
  • (英語資格)実用英語技能検定1級、TOEIC970点、IELTS speaking 8.0、ビジネス通訳検定2級、
  • (その他資格)リテールマーケティング(販売士)3級等

 

東京外大英米科卒業後、通訳者になることを視野に英語講師&翻訳業に従事。

20代最後に北京・清華大学にて2年間語学留学し、帰国後は英語&中国語(英語メイン)を使用するベンチャー企業に就職。

2020年現在は駆け出し日英通訳者しながら、ブログ副題の通り「+αで中国語キャリアを模索中」である。

 

留学のきっかけや中国語留学については、下記記事をご参照いただきたい。

【2020年1月更新】中国語力ゼロで中国留学してみた①

リテール(小売)業界・5つの店舗タイプ

「リテール(小売)英語で営業会議を乗り切る」第1回目では、以下※5つの店舗タイプをその特徴とともにお伝えする

※小売業界共通の用語もあれば、会社特有の用語もあるため、勤務先の状況に応じてご参照いただきたい。

リテール(小売)英語で営業会議を乗り切る(1)|駆け出し通訳者の英語備忘録

 

実店舗

オンラインショップ(=仮想店舗)の対義語として「実店舗」という言葉が存在する。

英辞郎 on the WEB Proによると、実店舗の英訳は下記2つに絞られるが(つまり「real store」とは言わない)、

  1. brick-and-mortar shop (store)
  2. physical store

前職での売上1,000億円以上の英語圏企業とのミーティングでは、brick-and-mortar store(s) のみ使用した。

 

かつ、brick-and-mortar store(s) が頻出単語にも関わらず長いためか、brick(s)と省略するパートナーもいた。

したがって、営業会議でよく聞く"How about bricks?"という質問の意図は、直訳「レンガ(=bricks)はどうなってる?」ではなく、「実店舗のビジネス状況を教えてほしい」となる点、ご注意いただきたい。

 

ちなみに「brick-and-mortar」の直訳は「れんがとモルタルでできた」であり、昔ながらの家を連想させるため、それが派生して「(オンラインショップではなく)実店舗」という意味を持つようになったという。

 

それでは、以下で実店舗の4タイプをお伝えしていく。

1. 定価販売店(Full-price Store)

まず「1. 定価販売店(Full-price Store)」について。

 

あまり聞き慣れない「定価販売店」は、英語圏企業がよく使う「full-price store」の日本語訳である。

広く知られた定訳がないため、英辞郎 on the WEB Proの訳語を拝借した。

ちなみに前職では、カタカナ英語「フルプライス・ストア」を訳語として採用。

 

意味はシンプルで、値下げ商品(mark-down products)や季節外れ商品(out-of-season products)を常に販売している工場直営店(Factory Store)や アウトレット店(Outlet Store)ではない、普通のお店・・・・・をさす。

したがって、大雑把に言えば、「〇〇〇ファクトリーストア」や「△△△アウトレット店」と名のつく店舗以外のすべてのお店が、定価販売店(full-price store)に分類される。

 

営業会議における定価販売店(full-price store)の特徴は、工場直営店やアウトレット店と比較して定価商品の割合が大きい分、1点あたりの単価(AUR=Average Unit Retail)が高くなる点。

また、ブランドを代表する旗艦店(flagship store)もこの定価販売店(Full-price Store)に含まれる。

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グローバル旗艦店のユニクロ銀座店(画像出典:ユニクロ銀座店公式HP)

2. 工場直営店(Factory Store)

つぎに「2. 工場直営店(Factory Store)」について。

 

工場直営店(factory store)とアウトレット店(outlet store)の違いは企業によって異なる。

また、「値下げ商品(mark-down products)や季節外れ商品(out-of-season products)を販売する店舗」という意味で、同義語で使用される場合もある。

 

参考までに前職での使い分けをお伝えするなら、工場直営店(前職では「ファクトリーストア」と呼称)には工場直営店限定の商品があり、アウトレット店(outlet store)には、そのような商品はない(=定価販売店の商品を値引き販売するのみ)という明確な違いがあった。

そもそも「工場直営・・・・店」と呼称される理由は、工場で製造された製品がそのまま直送&販売される店舗だからである。

 

したがって、粗利率(gross margin rate)の高い限定商品を販売する工場直営店(factory store)については、営業会議で粗利額(gross margin)が重要なビジネス指標の1つとなる。

 

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工場直営・・・・の商品販売店・ドンレミーアウトレット上野不忍池店(画像出典:ドンレミー公式HP)。

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アウトレット店限定商品のカスタードプリン。

 

工場直営で限定商品も販売するドンレミーアウトレットは、トリじょの前職経験に照らすと工場直営店(factory store)に分類される。

3. アウトレット店(Outlet Store)

また「3. アウトレット店(Outlet Store)」について。

 

限定商品を販売せず、定価販売店(full-price store)の値下げ商品(mark-down products)や季節外れ商品(out-of-season products)のみを販売し、在庫消化を主な目的とする店舗

したがって、営業会議では売上数量(unit sales)が重要指標の1つとなる。

 

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国内最大級の店舗面積を誇る御殿場プレミアム・アウトレット(画像出典:御殿場プレミアム・アウトレット公式HP)。

工場直営店(factory store)も含めて「アウトレット」と総称していると思われる。

 

ちなみに、「在庫」には「stock」と「inventory」の2つの対訳が存在。

これに対し、著名な同時通訳者・関谷英里子氏はブログ「同時通訳者関谷英里子の日々あれこれ」で以下のように述べている。

Stockは、商売の売りものの在庫(つまり、完成品、最終製品在庫ってことですね)
Inventoryは、資材や材料、仕掛品などを全て含めた在庫

が、売上1,000億円以上の英語圏企業と取引していた前職では、完成品にもinventoryが採用(小売業界なので製品しか話題にならない)。

さらに言えば、stockが使われているのを聞いたことがなく、在庫過剰は「excessive inventory」、棚卸は「take inventory」等と一貫してinventoryだった。

 

このように業界や企業によって定訳が異なる場合もあるので、書面やメールのやり取りを通してstockとinventory、どちらがより適訳かを判断するのが安全である。

4. 期間限定店(Pop-up Store)

最後に「4. 期間限定店(Pop-up Store)」について。

 

その名の通り、期間を限定して営業する店舗をさす。

期間限定店の目的は様々で、認知度向上を目的とするPR活動の一環だったり、販売促進や在庫消化を意図する場合もある。

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自分ツッコミくまの期間限定店告知ポスター(画像出典:fewmany blog)。

仮想店舗

実店舗(brick-and-mortar store)の対義語として仮想店舗(virtual store)という言葉が存在する。

が、実際は「virtual store」という単語を聞くことなく、オンラインショップ(=仮想店舗)は一貫して「※EC store」と呼ばれていた。

※E-Commerce の省略

 

いち英語学習者&駆け出し通訳者として特に興味深かったのは、前職では単語「online」は副詞で使用することが多かった点。

例えば"This Golden Week, we must win both online & offline"と英語圏パートナーに言われた場合。

直訳は「このゴールデンウィーク、オンラインとオフラインの両方で勝ちましょう」となるのだが、この「オンラインとオフライン」が意味するものをお分かりだろうか。

 

オンラインはオンラインショップ(EC store)、オフラインは実店舗(brick-and-mortar store)を示し、意訳すると「このゴールデンウィーク、オンラインショップ、実店舗ともに売上目標達成しましょう」となるのである。

 

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日本最大級のオンラインショップ(ECサイト)・楽天。

おわりに

これで「リテール(小売)英語で営業会議を乗り切る」の第1回目はおしまいです。

 

本記事では、小売業界の基礎となる5つの店舗タイプをその特徴とともにお伝えしました。

次回は、今回学んだ知識&単語を活かしつつ、より実践的なビジネスシーン(営業会議)を想定して英語を学んでいきます。

 

記事更新のはげみになりますので、トリじょのTwitterをフォローしてもらえると嬉しいです。

  • この記事を書いた人

Mami@Trilingual in JP, EN and CH

中国語キャリア模索中のアラサー駆け出し日英通訳者。超論理思考の夫に日々脳トレしてもらう、非キラキラ系コンサル妻。2020年4月第1子出産。 Fledgling English-Japanese interpreter, seeking for Chinese career as +α. At the same time, wife who has a consultant husband with ultra-logical thinking. And mother who gave birth in April 2020.

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